「ロイヤルターフ」は、ドイツの巨匠ライナー・クニツィアによる競馬がテーマのボードゲームです。
プレイヤーは馬主や騎手ではなく、観客として馬に賭け金をかけ、レースを観戦する感覚でゲームを楽しみます。サイコロを振るシンプルな進行ながら、賭け方や馬の進め方で大きな駆け引きが生まれるのが特徴です。
今回は、そんな「ロイヤルターフ」の魅力を紹介していきます!

定価 | 3740円(税込) |
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プレイ人数 | 2〜6人 |
プレイ時間 | 約45〜60分 |
対象年齢 | 8歳以上 |
発売時期 | 2017年2月25日 |
販売元 | コザイク(Cosaic) |
制作 | グループSNE |
デザイン | Reiner Knizia |
ゲームの目的
各プレイヤーは、レース前にどの馬が上位に入るかを予想して賭けを行います。
レースが終了したら、賭けた馬の順位に応じて配当金を受け取り、最終的に3レースを終えた時点で最も多くの資金を得た人が勝者となります。

内容物(コンポーネント)
- ゲームボード:1枚
- 競走馬コマ:7個(各色1個)
- プラスチックの台座:7個
- 競走馬カード:49枚(ロイヤルターフカード21枚、ウィナーズサークルカード(ヴァリアントルール用)28枚)
- 色タイル:6枚(各色1枚)
- 賭けチップ:24個(各色「1」「2」「3」「4」4枚)
- ペースチップ:1個
- 紙幣:50枚( 「50」12枚、「100」26枚、「500」12枚)
- ダイス:1個( 「馬首」3面、「騎手帽」「ニンジン」「蹄鉄」1面ずつ)

スリーブサイズ
- カードサイズ:42mm×63mm(ミニアメリカンサイズ)
- 枚数:49枚
ゲームの準備
ゲームボードをテーブルの中央に広げ、そのそばに競走馬コマ7個、ダイス、ペースチップ、紙幣を用意します。

ロイヤルターフカード21枚をボードのそばに置きます。

各プレイヤーは色を1つ選び、その色のタイルを自分の前において、誰がどの色かわかるようにします。その後、その色の賭けチップ「1」「2」「3」を受け取ります。
※「0」のチップはヴァリアントルールで使用します。

ゲームの進行
ペースチップを、コース上の「18」のスペースに置きます。
ロイヤルターフカード21枚をシャッフルします。山札から1枚めくって同じ色の「賭けエリア」のそばに置き、その色の競走馬コマを「0」のスペースに配置します。

次に2枚目のカードをめくり、同じ色の「賭けエリア」に置いたら、その色のコマを「−1」のスペースに配置します。これを7頭の馬で「0」〜「−6」のスペースすべてが埋まるまで繰り返します。
すでに配置されている色のカードを引いた場合は、脇にどけて次のカードをめくってください。脇にどけておいたカードは、次のレースで使用します。


1回目のレースでは、誰から賭けを行うかをランダムに決定します。そのプレイヤーは「その馬が3位までに入賞するのか」考えて賭けを行います。
賭ける馬を決めたら、自分の賭けチップ「1」「2」「3」のうちいずれか1つを7箇所ある賭けエリアに表向きで置きます。

以降のプレイヤーも時計回りに、賭けチップを1つを表向きに置きていきます。他のプレイヤーがすでに賭けている馬に賭けても構いません。
全員が1つづつ賭けチップを置いたら、再び最初のプレイヤーから同じ手順を行い、全員が3つの賭けチップを置いたら、賭けは終了します。
※1人のプレイヤーが1頭の馬に2個以上の賭けチップを置くことはできません。必ず3頭の異なる馬に賭けてください。

2回目と3回目のレースでは、最も所持金の多いプレイヤーが最初に賭けを行います。そうしたプレイヤーが複数人いる場合は、その中からランダムに決めます。
最初に賭けチップを置いたプレイヤーから時計回りに、ダイスを振り好きな競走馬コマを前進させます。何スペース進むかはダイスのシンボルとカードによって決まります。

競走馬コマを動かしたら、その色のカードを裏向きにして、すでにその馬が動いたことがわかるようにします。裏向きの馬は、すべての馬が動くまで動かすことができません。

すべての馬が一度づつ動いたら、すべてのカードを表向きに戻し、どの馬でも選べるようになります。次のプレイヤーはダイスを振って好きな馬を選ぶことができます。


- 手番が来たら、必ず表向きのカードを1枚選びます。「パス」はできません。
- 1つのスペースにとどまれる馬一頭だけです。移動を終えたスペースに他の馬がいる場合は、その手前の空いているスペースにとどまります。
ペースホース
最初に18のスペースに到達するか通過した馬は、このレースの「ペースホース」となり、払い戻しが「+100」されるようになります。ペースチップをその馬の賭けエリアに移動させてください。

ゴール
最初に「ゴールライン」を超えた競走馬コマを「①」の場所に移動し、その馬のカードを除外します。2位、3位の馬についても同様にします。


上位3頭の馬がゴールしたら即座にレースが終了し、その時点で最下位の馬を最下位の「⑦」の場所に移動します。


ゲームボード上の払い戻し表を確認し、上位3頭馬に賭けていたプレイヤーはその金額を受け取ります。
それぞれの馬について、「何票入っているか」を確認します。この時「1」のチップは1票、「2」のチップは2票とみなします。
各馬の払い戻し表の縦列を確認し、総票数が同じ欄を参照します。
1票賭けていたプレイヤーは、その金額を受け取り、2票かけていたプレイヤーは、2倍の金額を受け取ります。その馬が「ペースホース」であれば追加でお金を受け取ります。(1票なら「100」、2票なら「200」 )
最下位の馬に賭けチップを置いていたプレイヤーは、1票なら「100」、2票なら「200」」を失います。所持金が足りない場合は、支払えるだけ支払います。
※3レース目では、すべての払い戻しと支払いが「2倍」になります。

3回目のレースが終了した時点で、ゲーム終了です。その時点で最もお金を所持しているプレイヤーの勝利です。
ヴァリアントルール
ウィナーズサークル
ロイヤルターフカード21枚ではなく、ウィナーズサークルカード28枚を使用します。
山札をシャッフルし、上からカードを1枚めくります。めくったカードは、「白、黒、ピンク、青、黄色、緑、オレンジ」の順で並べていき、同様に競走馬コマも白〜オレンジの順に、「0〜6」のスペースに並べます。
それ以外のルールは通常通りです。

秘密の賭け
基本ルールは一緒ですが、各プレイヤーは賭けチップを4つ使用します。(0、1、1、2)
プレイヤーは、賭けるときに賭けチップを裏向きに置きます。この流れを時計回りに4周繰り返し、レースが終わるまで賭けチップは裏向きのままにしておきます。
レースが終わったらすべての賭けチップを表向きにし、それぞれの票数を確認しましす。「0」のチップは払い戻しに一切影響しません。ただのブラフです。

コースは大混雑
このルールでは、1つのスペースに何頭でも競走馬コマが止まれます。また全ての馬がスタートラインの「0」のスペースからレースを始めます。

異なる払い戻し
払い戻しを決める際、票数を「賭けチップの合計」ではなく、「賭けチップの枚数」で見ます。すなわち「2」の賭けチップも1票として数えます。
ゲームのコツ
サイコロを振ったときに誰がどの馬を進めるかで、ある程度賭け先を推測できる。
自分が賭けている馬で、できるだけ勝ちそうな馬を進めていくことが大切です。
自分が賭けていない馬を不利にするのも重要な戦略です。
3レース目は、払い戻し金が2倍になるため1発逆転も可能。
あえて不人気な馬を狙うことで、大量に稼げるチャンスがあります。
レビュー
- 基本はサイコロを振って進めるだけのゲームなので、覚えることが少なく簡単。
- すごろくに近い感じかと思いきや、馬が進むたびに盛り上がりしっかりと競馬の面白さがある。
- ヴァリアントルールを追加することで、誰がどの馬に賭けているのかの心理戦があり、より面白さが増す。
- 遊ぶ人や人数によって、毎回展開が異なりリプレイ性がかなりある。ヴァリアントルールもあるので、何度やっても飽きない。
- 運要素と戦術が程よく混ざっているので、初心者と経験者の差が出にくい。
- 歴代の名馬の名前がモチーフになっているカードも有り、競馬好きにはたまらない。
- サイコロ運に左右される部分があるので、戦略ゲーム好きには物足りない可能性がある。
- プレイ人数が少ないと駆け引き要素が弱まり、やや物足りなく感じる。4人以上くらいでのプレイがオススメ。
- プラスチックの台座にタイルをはめるときに、タイル表面が剥がれてしまうので注意。
まとめ、感想
「ロイヤルターフ」は、運と戦略のバランスが取れた競馬ボードゲームで、シンプルながら毎回展開が異なるため、遊ぶたびに新鮮な盛り上がりがあります。
賭け金の分配や馬の進め方など、駆け引き要素が適度に効いており、ボードゲーム初心者からベテランまで幅広く楽しめます。
競馬を知らなくてもルール理解に支障はなく、むしろ「賭けて盛り上がる」という本能的な楽しみが詰まっています。家族や友人同士でワイワイ遊ぶのに最適な一作です。
是非遊んでみてください。

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