近年、電気料金は上昇傾向にあります。
その背景には、燃料価格の高騰、国内の電力供給不足、脱炭素化社会の推進、再エネ賦課金の値上げなどが挙げられます。
国内の大半を占めている火力発電の燃料となる天然ガス・石炭の価格が長期的に値上がりすることが予想されており、それに伴って電気代も増加していく可能性が高いと予想されます。
そんな中で最近注目を集めているのが、「太陽光発電」です。
売電価格は減少していますが、メンテナンなどの問題は徐々に改善されつつあり、導入コストも昔に比べて比較的安価になっています。
私が努めている会社でも、太陽光発電を導入するお客さんが増えてきています。
今後も電気代が高騰することを見越して導入するお客さんが多いようです。
今回は太陽光発電の導入を検討している方に向けて、注意点やメリット・デメリットなどを紹介しています。
「設置しないほうが良かった」「容量を増やしておけばよかった」「思ったよりデメリットが多い」など失敗をしないためにも、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
それではいきましょう!
- 太陽光発電の容量は3〜5kWあれば十分
- 太陽光発電は日当たりや気候によっては設置しないほうが良い地域もある
- 住んでいる地域によって補助金が出る可能性がある
- 売電価格は16円/kWhで、最近10年の間に半分以下になっている
- 一般的に10年までには元を取ることが可能
太陽光発電とは
太陽光発電とは、家の屋根やカーポートなどに太陽光パネルを設置して、太陽光を家庭用の電力に変換するシステムです
「太陽光パネル」で発生した電力を「接続箱」で取り纏め、「パワーコンディショナー」で直流電力から交流電力に変換し、家庭用の電化製品などで使用できるようにします。
合わせて「蓄電池」を設置することで、昼間に蓄電池に蓄えた電力を夜間にも使用することができます。
また、災害時や停電時の非常用電源としても活躍します。
売電価格は年々下がってきていますが、売電して収入を得ることも可能です。
現在の売電価格は16円/kWhで、10年前のと比べると21円/kWhも下がっています。
一般家庭では、売電がメインではなく家庭で使用する電力を補う用途で導入する人がほとんどです。
太陽光発電導入時の注意点
地域・日当たり
太陽光発電を設置するにあたって注意が必要なのが、地域・日当たりによっては設置しないほうが良い場合もあるということです。
一般的に太陽光発電向いている地域は、内陸や太平洋側と言われています。
日照時間の長い地域は、
- 山梨県
- 愛知県
- 長野県
- 埼玉県
- 和歌山県
- 群馬県
逆に日照時間の短い地域は、
- 秋田県
- 山形県
- 青森県
- 鳥取県
- 島根県
地域によって年間の発電量は10%〜20%も変わってきます。
日照時間以外にも以下の条件を満たしている場所のほうが太陽光発電に適しています。
塩害の少ない地域
海に近い場所では、潮風による塩害の被害を受ける可能性があります。
パネルや架台、蓄電池などの寿命を早める原因になります。
日当たりの良い地域
周辺にビルやマンションなどの高層ビルが立ち並ぶ場所や狭小地では日当たりが悪くなります。
開けた土地で日当たりを遮るものがない地域の方がより発電量が増加します。
自然災害にリスクが低い地域
台風や津波、積雪量の多い地域では、パネルや蓄電池が破損する可能性があります。
事前に自分の住んでいる地域の自然災害について調べておく必要があります。
売電を考える場合は電柱が近い場所
売電をする場合は近くの電柱に電線を連携させる必要があります。
近くに電柱がない場合は、電柱設置費用として追加で20万円ほどコストが掛かってしまうので注意しましょう。
このように地域によっては太陽光発電に向いていない場合もあります。
事前に自分が住んでいる若しくは、住む予定の地域について最低限のリサーチをしておきましょう。
設置スペース
5kWの発電に必要な面積が約30㎡と言われています。
30㎡とはおおよそ畳18〜19枚分で、分かりやすく言うと10m×3m分の面積が必要です。
一般的には、北面に設置することはなく、日当たりの良い南面、次いで日当たりの良い東西面に設置します。
必要な発電量を確保するために、日当たりや家の大きさを考慮した屋根形状にする必要があります。
切妻(きりずま)屋根
最もオーソドックスな屋根形状で、メンテナンスや耐久にも優れた屋根形状です。
パネルの接地面積も広く、太陽光発電に適した屋根形状と言えます。
南北方向よりも、パネルの接地面積を多く確保できる東西面のほうが発電量が多くなる場合があります。
片流れ屋根
その名の通り、屋根が片方向に流れた形状をしており、シンプルな構造で施工コストが安く、デザイン性が優れていることから人気の屋根形状です。
パネルの設置可能面積が広く、南面に設置することで最大限に力を発揮する屋根形状です。
寄棟(よせむね)・方形(ほうぎょう)屋根
面を4つ合わせた形をしており、雨や・雪の流れを分散することができ、耐久力にも優れております。
4面全てにパネルを設置することが出来ますが、1面あたりの設置可能面積が狭く、最大限の発電効率を確保するには三角型のパネルの設置が必要です。
三角方のパネルは取り扱っているメーカーが少なく、パネルの値段が高く設定されています。
発電容量
発電容量とは、太陽光発電でどれだけ発電できるかを表した数値です。
「私のオススメはズバリ5kWhです!!」
環境省による1世帯あたりの1年間の消費電力の平均は4175kWhです。
1kWあたり年間で約1000〜1200kWhほど発電可能であり、3〜5人構成の家庭が普通に暮らしていれば、5kWの容量があれば間違いなく問題ありません。
電気自動車や家電を頻繁に使用する方や、家族が多い方はそれに合わせて容量を大きくするのも一つです。
太陽光発電の容量は、太陽光パネルとパワーコンディショナーのどちらか低い方で決まります。
必ず容量を合わせる必要はありません。
日中は発電量が多くなりますが、曇の日や夕方などは全体の発電量が減るため、太陽光パネルの容量を大きくして、日中以外の発電量を増やすのが一般的です。
日中は、パワーコンディショナーで処理しきれずに電力を捨てることになってしまいますが、最大発電量を確保できる時間は限られているので、特に問題ありません。
日中家にいる時間が少なく、夜間に利用することが多い人は、同時に蓄電池を設置する必要があります。
いくら発電量が十分でも、蓄電池がなければ電気をためておくことが出来ず、太陽光発電のメリットが薄くなります。
蓄電池は高額ですが、国からの補助金の制度もあるので一度見積もりを取って、実際の費用を調べてみるのがオススメです。
下のボタンから比較見積もりを依頼できるので、是非チェックしてみてください!
費用
太陽光発電導入費用
太陽光発電の導入を考えるうえで、金額は大事ですよね。
太陽光発電の設置費用は、年々安くなっており現在では「1kWあたり約26〜29万円」です。
5kWの容量で設置するとす設置費用は「約130万円〜145万円」です。
新築住宅に設置する場合よりも、既存住宅に設置するほうが1kWあたり1万円ほど安くなるようです。
現在、国からの補助金はありませんが、住んでいる地域・地方自治体によって補助金があるようです。
太陽光発電を安く導入できるかもしれないので、必ずチェックしておきましょう。
蓄電池費用
蓄電池の費用は、容量によって変わりますが「約80〜200万円」で、5kWの容量だと「約125〜175万」と非常に高額です。
蓄電池の設置には、国からの補助金制度があり最大60万円の補助金が出ます。
また、各地域・地方自治体によって助成金や補助金制度が設けられているので、確認しておきましょう。
ますは一度見積もりを取って、販売店に確認することをオススメします。
メンテナンス費用
太陽光発電設置後は、定期的なメンテナンスが必要です。
発電量の低下や機器の故障に繋がるので、「やらなくていいだろう」という考えは捨てましょう。
住宅用の太陽光発電は、必ず定期点検が必要なわけではありませんが、資源エネルギー庁の資料では4年に一度の定期点検が推奨となっています。
点検の費用はおおよそ1~2万円ほどです。
周辺機器の点検、電圧測定や絶縁抵抗測定など素人では異変に気づきにくい部分を点検してくれるので、最低でも4年に1回は点検することをオススメします。
点検の他にも、定期的な清掃が必要です。
鳥の糞、花粉、黄砂などが付着したまま放置すると、発電量の低下や最悪故障の原因にもなります。
清掃費用はサイズにもよりますが、1~2万円ほどです。
また、バルコニー等からの昇降が出来ない場合は追加で足場設置費用が8~10万円ほどかかる場合があります。
清掃に関しては、年に1回程度がオススメです。
何年で元をとれるのか?
一般的には太陽光発電を設置してから10年までには元がとれると言われています。
地域や時期にもよりますが、早ければ7年ほどで初期費用を回収することも可能です。
ここではより早く初期費用を回収する方法を4つ紹介いたします。
1.太陽光発電設置費用を抑える
まず大切なのは初期費用を抑えることです。
太陽光発電の設置費用は業者によって大きく違います。
数社から見積もりをとり、比較したうえで決定しましょう。
初期費用を抑えることも大切ですが、保証やアフターメンテナンスが充実した業者を選ぶことも大切です。
なぜなら、故障や修理を行う際に、保証やアフターメンテナンスのサービスを受けることができ、結果的には費用を抑えることができるからです。
業者を選ぶ際は、価格・保証・アフターメンテナンスなどを考慮して相対的に判断しましょう。
また、国からの補助金は2014年に終了していますが、各地域によって地方自治体の補助金がもらえる可能性があります。
そちらも必ずチェックしましょう。
2.売電収入を初期費用に充てる
太陽光発電の売電収入はローンの返済などに充てましょう。
売電収入は減少傾向にありますが、FIT制度の認定を受けた住宅用太陽光発電は、10年間固定買取価格で電気を買い取ってくれます。
年間の収入を計算しやすく、電気料金と合わせて計算することで、おおよそ何年で元をとることができるかを算出すことが出来ます。
3.電気の自家消費を行う
効率よく電力を消費しましょう。
私達は普段、電力会社から電力を購入し利用しています。
電気の購入価格は上昇傾向にあり、この先も上昇していく可能性が高いです。
売電価格よりも電気の購入価格のほうが高いため、太陽光発電で得た電力はできるだけ自家消費するのがオススメです。
エコキュート(電気温水器)やIHなど、電力を使用する設備や家電を利用し、ガスの料金を減らしつつ余った電力を売電するのが理想系です。
4.蓄電池と併用する
太陽光発電のみでは電力を蓄電することが出来ないため、夜間に電力を利用することが出来ません。
蓄電池を併用することで、昼間に貯めた電気を夜間にも利用することが出来るようになるため、より電気代を削減することが出来ます。
しかし、蓄電池自体の費用も高額のため、バランスを考えて導入を検討しましょう。
まとめ
太陽光発電の導入は、個人的にはかなりオススメです。
最近では、電気自動車やIH、エコキュートなど電力を動力とした製品が増えてきています。
今後もますます電力を動力とした製品は普及して行くと思われ、電気料金の上昇も相まって電気の需要は高くなっていくと考えられます。
太陽光発電の導入を考えている方は、以下にオススメの一括見積もりサイトを掲載していますので、一度数社に見積もりをとってみて比較検討してみて下さい。